FIRST
MISSION
BOX

FMBとは?

FIRST MISSION BOXについて

危機管理教育研究所 代表 国崎信江

FMB(FIRST MISSION BOX)は、災害時において担当に関わらず、誰であってもその場にいる人が迅速かつ確実な初動期のオペレーションを実現するための方法です。

あらかじめ、災害対応の組織と担当者の役割を明確にしておきますが、発災時は計画通り本部要員が速やかに集まれないこともあります。そんなとき、所定の場所に置いたボックスを駆けつけた人が開け、そこにある指示カードに従って行動します。

指示カードは、誰であっても実行できる簡単な作業であり、何をすれば良いか一目でやるべきことがわかるように記載されています。
本部要員が参集するまでの貴重な初動時間を、その場にいる人で有効に対処するための行動を記載した指示カードを含め、そのツール全体をFMBと呼びます。

FMBは、危機管理教育研究所 国崎信江と長野県飯田市が考案しました。

First Mission Boxの開発について

飯田市危機管理室 次長補佐兼防災係長 後藤 武志

適切な初動対応を可能にするFirst Mission Boxを開発  
1 開発のきっかけ
 長野県飯田市では、平成26年12月の新庁舎竣工に合わせ、常設のオペレーションルームを備えた危機管理センターの運用を開始しました。これは、災害発生時の初動対応の課題である職員による迅速かつ確実な災害対応態勢の構築を可能にするためのハード面での整備を行ったものです。
ハード面での整備が進む一方で、参集した職員が落ち着いて、すべきことを確実に行うことができるようなソフト面での対応ができないものかと思案を重ねていたところ、危機管理教育研究所代表の国崎信江氏より飯田市立病院の救命救急センターに画期的なマニュアルがあることをご教示いただき、同氏とともにそれを見学しました。このマニュアルは、プラスチック製の見出し付きのA4サイズのケースに、何をすべきかを事細かに記載したマニュアルが、対応すべき順番に入っていました。
これにヒントを得て、国崎氏のアドバイスを受けながら、初動対応の迅速化を目的としたFirst Mission Boxを平成27年1月に作成し運用を開始しました。

2 導入及び訓練の効果
 平成27年1月17日午前5時46分、完全非公開の市職員非常参集訓練を実施し、その際、初めてFirst Mission Boxを活用した訓練を実施しました。
最初に危機管理センターに到着しこの箱を開けた職員は、順次到着する職員にカードを渡し、対応をしてもらうことで、スムーズに初動対応の準備・情報共有が図られました。訓練参加職員からは、「自分が行うまでに何が完了しているのかがわかったほうがいい」との意見がありました。更に同年8月29日には2回目の運用訓練を行いました。First Mission Boxの認知度も上がり、本部設営訓練を2度経験済みであったこともありその熟度も向上しました。
 これまでの訓練の中で見えてきた課題は以下の2点であると感じています。
①最初のミッション後の多岐にわたる対応や状況の変化にどのように対応するか
②対応全体及び各ミッションの進捗状況を管理するコマンダーの存在

3 深化と横展開
 現在、当市では「地震編」と「ミサイル編」の2種類のFirst Mission Boxを制作・運用しています。また、平成30年8月には、川路地区自主防災会が「地区拠点本部編」を制作し、同年9月の地震総合防災訓練で活用するなど、災害の種類別、対象者別のFirst Mission Boxが開発されるなど横展開が図られてきています。また、これまでに150を超える自治体・団体・企業等から問い合わせをいただいております。
当市としては、避難所の運営マニュアルのFirst Mission Box化のほか、風水害・土砂災害といった緊急参集が予想される自然災害、社会リスクについても順次作成するなど更なる深化を図っていく予定です。また、役所内の各部局における事務分掌への展開をマニュアル策定に合わせて進めていきたいと考えています。
平成31年にはFirst Mission Boxを作成するための勘所をまとめた「First Mission Box作成の手引き」を作成する予定です。多くの自治体、自主防災組織や企業等でご活用いただき、改善すべき点等をご指摘いただければ幸いです。

飯田市危機管理室 次長補佐兼防災係長
一般社団法人 危機管理教育研究所 上席研究員
 後藤 武志